日々うちでのこづちに書き込む際、辞書はなくてはならないものだ。辞書と辞典はだいたい同じ意味のようだ。角川の類語新辞典は、辞書のことを辞典類の総称と書いている。昔の人は字引などとも言っていた。例えば漢和辞典は漢和辞書という言い方はあまり聞かない。国語辞典、英和辞典なども「辞書」という言い方を全くしないわけではないが、概ね辞典という。
広辞苑には実は非常に多くの意味が載っており、そのまま以下にコピーを載せる。
①ことばや漢字を集め、一定の順序に並べ、その読み方・意味・語源・用例などを解説した書。辞典。辞彙じい。「―を引く」「英和対訳袖珍―」→事典→字書。
②ワード‐プロセッサー・自動翻訳システムにおいて、漢字・熟語・文法などを登録してあるファイル。
③(→)辞表じひように同じ。じそ。栄華物語玉村菊「大弐―といふ物、公に奉りたり」_新帝が先帝に太上だいじよう天皇の尊号を贈るに際し、先帝がこれを辞退する意を述べる書状。御辞書。御報書。
④ことばを書きつらねたもの。文章。蘭学事始「蘭学は実事を―にそのまま記せし者」
⑤〔言〕ある言語の語彙のすべてについて、一般的規則では扱えない音韻・統語・形態・意味上の性質を記述した文法モデルの一部門。レキシコン。
確かに②は、①と微妙に物が違う。⑤はまたちょっと異質な感じだ。しかもレキシコンは、別な意味も持っており、特定の人物や作品に関する百科辞典的なものをそう呼ぶ場合がある。ドイツで出ているペリーローダン百科事典は「レキシコン」だ。
言葉の意味を扱う辞書にそもそもこれだけの意味の違いがあるというのもなかなか面白い。
今では、広辞苑を始め、多くの辞典がソフト化されているので、棚にある辞典を手に取ることは少ない。クラシック作品名辞典くらいだ。日本山名辞典なんていうのも持っているが、ほとんど開いたことはない。
これまで一番よく使った辞典は国語辞典だろうと思うが、その次が前出の「角川類語新辞典」というより、これを簡易版にした「角川類語国語辞典」だ。文章を作るときに、非常に表現の幅が広がる辞典だ。現在では、類語新辞典も手元にあるが、それもパソコン版を手に入れたので、静かに棚で眠っている。
電子辞書で非常に便利なのは、複数の辞書から一つの語を一斉に検索できることだ。当然、辞書がそのソフトに対応していなければならない。辞書類は各社から出ているので、どの程度がどのソフトで見られるのかと言ったことはよく分からないが、共通仕様を出して欲しいものである。少なくとも百科事典はEncartaなど、オリジナルフォーマットで、それ以外では使えないようだ。
旅行などには、各国語が入ったコンパクトな電子辞書もあるようだが、ノートパソコンがもう少し軽くなり、そこに収納できるようになれば、パソコン1台ですむ。
ヨドバシドットコムの辞書のページを見てみると、国語辞典から図鑑まで、様々な物が出ているが、意外に外国語の辞書はない。書籍の中でも辞書や事典というのはまさにデータベースで、PC版が出ると非常に便利な物が多い。外国語辞典ではよく発音なども音で入っていたりするので、書籍などより遙かに便利だ。辞書類だけは、どんどんPC版に移植して欲しい。
ただ、やはり価格が高いものは気になる。Amazonで一番高い辞書ソフトは「 CD-人物レファレンス事典 西洋・東洋編 EPWING版 」だが、16万円する。まあ、この手の辞書と、例えば翻訳家用、出版の校正用など特殊なビジネス用途に特化したものは、ある程度仕方がないのかも知れないが。
せめて、英、仏、独、伊、露、西、葡、中、韓、くらいの辞書は対日、日対の双方が出ていて欲しいと思う。
辞書や事典というのはただ読んでも面白い物だ。より便利で、楽しめるPCの辞書世界が登場することを願ってやまない。