由比敬介のブログ
行為の評価
行為の評価

行為の評価

 自民党のなかにしという議員が強制わいせつで現行犯逮捕され、議員を辞職するという。
 そもそも全くよろしくない犯罪だし、しかも言い訳として行っている「客引きと思った」という一言が、尚更女性の神経を逆なでしている。政治家をやるにしては不用意な行動と不用意な発言で、それこそが資質を否定していると言える。
 ただ、世間の反応というのはいつでも「鬼の首を取った」ようなマスコミの反応とオーヴァーラップしながら、妙な違和感を感じさせる。今回の件はただの犯罪だし、自分がその女性の立場だったら、当然、極めて不快だと思うから、同情の余地はない。そして政治家だからこそ、より強く糾弾されるというのもまた解らないではない。
 これは、先日もちょっと書いた、ダルビッシュの喫煙と、程度こそ違うが、なにか自分のことはさておいて感がなぜか漂う。多分それは、マスコミの論調や、攻撃姿勢で感じるのだと思う。
 そのダルビッシュもお詫び会見を開き、酒、煙草、暴力というどうもバランスの悪い例を挙げて、二度と法は犯さないようなことを言っていたように思う。酒・煙草と暴力では、犯罪のレベルも違う資質も違う。個人的な見解を述べるなら、おとなしく自宅で煙草を吸っている未成年よりも、そこかしこで構わず煙草を吸う大人の方がより犯罪的である。和やかに居酒屋で談笑する未成年より、くだを巻いて女性に抱きつく大人の方がよりタチが悪い。ましてや暴力など・・・・人を力で屈服させるというのは、最大の先進国が現在もなお他国の領土でやっていることだが、個人から国家のどのレベルであろうと、所詮は暴力に違いない。
 フジとニッポン放送のやり方は、私には正当防衛だとしても釈然としない部分はある。だが同様に、livedoorのやり口も釈然としない。堀江氏の下で働いて無くて良かったな、と個人的には思う。と言って、どう見てもフジサンケイグループも、上層部の体質は古く、そして日本的だ。日本的の全てが悪いわけではないが、結果的にドンキホーテの納入業者への圧力に公正取引委員会が排除勧告したのと似た、TOBの慣習的株集めの臭いがしている。
 何かを評価するというのは非常に難しく、ましてや批判するというのはもっと難しい。変な話、現行犯逮捕された中西議員の影で、全く逮捕されない酔っぱらいが日本には大量にいることを忘れてはならないと言うことだ。痴漢を含めたらどのくらいになるのだろう。これは婦女暴行より軽いからいいというものではない。
 ダルビッシュの影に、数え切れない未成年が現在でも飲酒や喫煙をやっているし、そもそも既に二十歳を超えた大人の中でさえ、飲酒や喫煙を未成年から経験した人間は大量にいる。
 法は法だが、意味の分かる法と意味の分からない法、あるいは時代に即していない法があるとすれば、法という物の価値はいったいどこにあるのだろう?
 私は、この世が平和になる最大の方法は各人が取り敢えず他人のことをまず考える、多を尊重するという事を、全ての人が行うことであると思っている。ひいては自分を他人が尊重すると言うことだ。「情けは人のためならず」という。
 夢物語と笑わば笑え、と言ったところだ。

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