今年の夏は30度以上の真夏日が歴代1位に並んだという。暑い夏だった。明日も30度を超えるらしいし、いずれにしたところで記録的な夏には変わらない。
大分昔から異常気象という言葉が聞かれる。
オゾン層が破壊されたり、森林がどんどん減っていったり、人為的な原因で自然界に大きな変化があるのも事実だ。それらのことが世界的な気象の変化に何も影響していないとは言い難い。しかし、太古の昔から、地球は、何度も氷り、大地を何千キロも動かし、数々の天変地異を超えて今の状態になっているので、ここ数十年の天候の違いは異常気象などと呼ぶべき物ではないように思える。
東京が熱いのはヒートアイランド現象などに象徴される人の多さと、室内を涼しくするために熱気を外に出している影響かとも思う。それが証拠に、冬も暖かくなって、東京の雪は昔に比べて大分減っている。
「デイ・アフター・トモロー」ではないが、自然災害で人類に危機が訪れるなんて言うことも、あたら空想とばかり言い切れない時代が来るかもしれない。
その関連ではないが、今年は熱いばかりでなく、台風の上陸も多かったし、アメリカでも歴史的に巨大なハリケーンが襲ったりと、嵐の災害も大きかった。東京近辺に住んでいると、台風の被害というのは毎年あまり多くない。そんなのが毎週のように来る地方の方は本当に大変だと思う。
こういった自然の変化は、大きな流れとしては、少なくとも地球全体の温暖化の方向に進んでいるし、この流れは簡単に変わるものではないのだろう。
人類ががこの世に出現して、長く見ても数百万年。有史以来であれば数千年。産業革命からでも数百年。原子力が生まれてからなら100年も経っていない。
この世の営みが、人為的という言葉で語られようと、全体的に見れば自然の当為に過ぎないと思えるほど人類の歴史は短い。その中で、創造と破壊を何度も繰り返してきた人類が、人間を月に送り込んだのが既に40年近く前である。
ところがそれからそれだけの月日が経っていながら、そちらの方面の科学はどれほど進んだろうか?いや、きっと一般人が知らない分野でいっぱい進んでいるに違いないが、21世紀に入ってから人間が行っているのは戦争だったりする。
暑い夏を始めとする自然現象を改善するのも、未来への展望や子供たちの夢を繋ぎ、平和で明るい将来を作っていくのも、我々自身を含めた人類自身がすべき事である。確かに月に人類を送り込むことは、冷戦構造の中でこそ実現できたことかもしれないが、それでも意味のあることだったと思う。
戦争は人に科学技術の発展をもたらしたという言い方がある。恐らく事実として、そういう側面はあるかもしれないが、戦争をしないでその時代を過ごしてきていない人類は、戦争がなかった場合の科学技術の発展のシミュレーションを架空以上の確率で行うことができない。
これからの人類が、そう簡単に平和で、争いのない世界を築けるとは到底思えないが、同じ人間同士に向いている闘争心を幾ばくかでも自然の驚異や謎に向けていこうとしていけば、必要以上に暑い夏が来ても、それを異常気象とは言わなくなるに違いない。
まあただ、暑い夏の年は翌年花粉がたくさん飛ぶと言われた。花粉症の私には、当面それ以上の驚異はちょっと無いかな。