DVDにはリージョンコードというのが設定されており、海外のソフトを見ることができない。これは、ハリウッドの映画業界が、例えば日本で公開前の映画を、日本人が輸入して見てしまい、映画館に行かなくなることで、興行収入が減ることなどを危惧したということのようだ。
この偏狭で小心な制作サイドの思惑が消費者の行動を制限するというのは、まさに暴挙というしかない。DVD買ったって、ハリウッドにはお金はいるだろう?ではないのだろうか?いずれにしても、日本人の英語力を過大評価し、金では買えない消費者の信頼を損ねるような行為だ。
もちろん、リージョンフリーだからといって、海外の作品を見るかというと、個人的にはあまりない。ただ、海外旅行に行って、欲しい物があれば買いたいと思っても、どうせ再生できないのだから買わないと言うことになる。結果、逆効果だったり。
現在ではリージョンフリープレイヤーでもかからないソフトもあるらしい。
これらの措置は、CDで言えば、エイベックスやソニーが導入している、パソコンでは専用ソフトでないとかからないという、消費者を小馬鹿にしたコピーコントロールCDという仕組みと一緒だ。
ビル・ゲイツの資産や、マイクロソフトの業績を見ていると、果たしてWindowsや、Officeの価格は適正だろうか?と思わざるを得ない。パソコンのソフトや、音楽ソフトは例えば書物と同じ著作物だ。家族や友人同士の貸し借りなど、書物であれば当たり前だ。というか、それもまた読者を増やす一つの宣伝でもある。同様に、ソフトウエアや音楽などの著作物も、その辺りのアローアンスをしっかり保持してこそ、消費者との円滑なやりとりが成立すると私は考える。
ポータブルオーディオプレイヤーがこれだけ流行っても、自分で購入したCDから録音できない人が沢山いる。
もちろん何事も、全て満たされるということは、人生の多くの場面でなかなか無いことだが、それとは全く違った次元で、過度な反応で消費者が不便を被るようなことを実は多くの業界が行っていると言うことだ。
これはある意味、特殊法人や、公務員が不当に大きな給与や手当、あるいは世間的に見て明らかにおかしい家賃で住宅に住んだりという不都合がどれだけマスコミに取り上げられようと、その恩恵を受けている人もまた沢山存在するために、それほど簡単に片が付かないというのとちょっと似ている。
利害は各々が所属する社会を代表しているので、多くの場合、強い方が勝つ。
まあ私たちは、こうやって小さな声を上げ続けていくしかない。