由比敬介のブログ
MAC
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MAC

 最近MacのCMを見た。MacといってもMacintosh、つまりアップルコンピュータのCMだ。
 今風の飾らない若い男と、眼鏡をかけ、スーツを着た、若い女の子が見たら、100人中90人はMacの男を選ぶような風采の男が並んで会話するだけのCMだ。
 いくつかシリーズがあるようだが、若くない方がまず、
「はじめましてパソコンです」
という。若い方が、
「はじめましてMacです」
という。
「あなたもパソコンですよね」
「でもみんなMacって呼ぶんだよね」
「何かあなただけ特別じゃないですか、友達みたいで」
「みんな家でぼくをプライベートに使うから、親しみやすいのかな?」
「なるほど、私はビジネスライクな関係ばかりですから。何か特別な呼び名が欲しいです」
「仕事でのつきあいがメインなら、ワークっていうのはどうかな?」
「マックとワーク・・・まっくう」
と二人は仲良くなるというのだ。・・・ここまで詳しく書けたのは、アップルのサイトで見ながら書いているからだが、別にこのCMを褒めようというのではない。
 このCMの中にこそ、ぼくがマックを選ばない何かが凝縮されているということなのだ。
 そもそもMacとWindowsという分け方は、OSの違いだけによるわけで、Microsoftのなにやらうまい術策にはまり、パソコン市場はある意味Windowsに席巻されている。特に企業は、デザイン会社ならともかく、富士通やNEC等のパソコンが非常に大きなシェアを占めている。
 Macが非常に特徴的なのは、アップルコンピュータ意外にMacOSを乗せているパソコンがほとんど無いと言うことと、かつてデザイン系に特化したパソコン・・・・というより、DOS/V系のパソコンが、そのあたりに弱かった事で、アーティスティックなイメージが付いたことによるだろう。
 パイオニアとか、数社がMacintoshパソコンを出そうとした時期もあったようだが、結果的に失敗し、Macは一時期低迷していた。
 アップルの盛り返しは、Macよりもむしろ、iPODのおかげといった感はあるが、iPODはポータブルオーディオの幅を広げてくれて、非常に良かった反面、寡占とまでは行かないが、特にアメリカなどでは、ポータブルオーディオといえばiPODといった状況のようで、あまり面白くはない。
 このあたりは、カセットテープやMDのようにメディアによる制限をあまり受けず、圧縮のフォーマットが再生方法を規定するだけなので、ソフトウェアが対応してしまえば、ハードは特定する必要がない。音楽を聴く、映像を見る、というだけなら、iPODであろうが、携帯であろうが、あまり関係ないわけで、ならばもう少し、多くのメーカーが拮抗してくれても良さそうなものだと思う。
 幸いなことに、日本ではiPODのシェアは半分くらいのようなので、他の電機メーカーも、もっとがんばって欲しい。
 さて、アップルの盛り返しはいいのだが、このこじゃれたイメージ戦略が、いかにも鼻について気に入らない。絶対にマックは使わないぞ、と固く決心してしまう。
 Macを使っている友人はたくさんいるし、仕事関係でもデザイナーさんはMacとWindowsをうまく使い分けていたりする。・・・・歯医者さんも。
 それでも尚、こんなCMを打ち出してくる企業の製品を使いたくないという、ぼくの何かにかちんと触れるのだ。
 Windowsを馬鹿にしているようにも取れるCMだが、本質はそうではないだろう。シェアではとうていWindowsの敵ではないし、まさかMacはプライベート専用パソコンにしかならないという自虐的なCMのはずもない。
 何というか、余裕を持ったセレブの、決して見下してはいないその態度こそが見下しているんだぞ的な、何かを感じるのだ。いや、見るたび気分が悪くなるCMだ。
 尤も、Macというパソコン自体を嫌いなわけではない。パソコンは所詮パソコン、道具でしかないので、使いやすいものを選んだ結果が今なので、中身のソフトや、見栄えのために何かをするということはあっても、敢えて無理をしてMacに鞍替えの必要は感じていないが、使ってみたいときはある。
 大きな画像データなどを扱う場合には、やはり有利なところもあるようだが、ではWinでは不十分かというと、私の仕事やプライベートでも決して不十分ではない。どちらかというと、ソフトウエアなどで選択肢の広いWindowsの方が、どうしても便利であるには違いない。
 他人とのデータのやりとりでも、多くはWindowsだし、Macからのデータでも扱えるのだから、ほとんど現状ではそれ以上の必要はないわけだ。
 そんな状況でけんかを売るようなあんなCM、どこ過去の反応は、アンチ巨人に似ている。またぞろ小笠原までもが巨人かよ!野球人も生活もあるし、子供の頃からきっと巨人ファンは多いわけだから、うなずけないわけではないが、プロ野球という意味ではあほらしい。
 巨人というブランドに対する毛嫌いと、Macへのそれ、他の人には解らないかも知れないが、似ているのだ。それでも「巨人の星」は大好きだ。
  何の話だか・・・・

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