私は最近、映画館で映画を見ない。映画館で見る映画とテレビ画面で見る映画が違うのは当然のことだが、少なくとも私にとっては、大画面だからテレビよりもいいというメリットと、一人でのんびり見られるというメリットのどちらを取るかと言われれば後者を取る。単純にそんな理由から、映画館には行かず、ビデオや、最近ではDVDで楽しんでいる。こののんびりという中には、各駅停車の旅ではないが、途中下車できる楽さというものがあり、映画の途中で止めておいて別の時間に見るというのもメリットの一つだ。続けて見ないととか、臨場感とか、様々な楽しむための意味が映画館にはあるのかも知れないが、ごく個人的な点に於いては、それらはさっぱりメリットではない。
さて、最近では洋画のDVDはかなり価格が落ちてきて、標題に挙げた「デイ・アフター・トゥモロー」は、まだ公開から日も浅いが、わずか999円だった。もちろん、FOXの何周年記念企画みたいな触れ込みはあったが、公開当時から見たいとは思っていたので、躊躇無く購入した。
全体的な感想から言えば、まあそんなものか、なのだが、それはそれ、CGを使った迫力あるニューヨークのシーンなどは十分に楽しめた。こういう映画というのはエンタテイメントと同時に、監督なりプロデューサーの強いメッセージがいくつか入っていて、それは地球温暖化への警鐘であったり、政治と人間性の葛藤であったり(こちらは案外いつでもステレオタイプだが、逆にステレオタイプだからこそ意味を持つこともある)、根本的な人の美しい生き様だったりする。
例えば、ニューヨークを津波が襲うというシーンは、「ディープ・インパクト」や「アルマゲドン」で続けて見ているし、今回のものはそれに比べたら可愛い。だが、先日のスマトラ沖地震ではないが、様々な理由から、それに近い災害というのは起こりうるわけで、単なるエンタとして片付けてはいけない内容を持っている。
実はこのタイトルから、昔の「ザ・デイ・アフター」という映画を連想した。
こちらは核戦争の映画だが、非常にシリアスで、深い内容だったと記憶している。核爆弾投下後の悲劇という意味では、「トータル・フィアーズ」もそうだが、こちらはジャック・ライアンの活躍するヒーローモノという色合いが濃く、同じ素材を扱っても大分違ったものができあがるという好例だ。広島、長崎を国内に抱える日本と、原爆博物館で「かっこよさ」を売り物にさえしてしまうアメリカの、ここが大きな違いのように思える。
確かにアメリカの戦争物は、一部を除くと非常にヒロイックだ。闘って自由を勝ち取るという図式の中で生きてきた国民と、一度大負けをして、その中から、過去を否定いしながら這い上がってきた国民の差がそんなところにもある。どちらがいいと言うこともないが、ただ、爆弾はかっこいいものではなく、人の命を奪う兵器でしかないことは、地球人類の共通認識となる世の中になって欲しいものだ。
確かにこの映画の見所は特撮シーンでした。後半の父親が一人で極寒の中息子を救いに歩くというのは、無茶すぎます。まあ、これがハリウッド映画だと言えば、それもそうなのですが。まあ、お約束で主人公たちが無事生還するのは、禁じ手なアルマゲドンと違って良かったと思います。でも昨年の暮れに、悲惨な津波が多くの人々の命を奪うことになり、ちょっと複雑な気持ちでした。
いろいろお世話になって済みません。今度お会いしたとき、飲み代おごらせて貰います(それで済めばいいのだが・・・<笑)。最大感謝!