由比敬介のブログ
ルトスワフスキ-管弦楽のための協奏曲
ルトスワフスキ-管弦楽のための協奏曲

ルトスワフスキ-管弦楽のための協奏曲

ルトスワフスキ(1913-1994)はポーランドの作曲家だ。ポーランドの作曲家として思いつくのは、ペンデレツキとシマノフスキくらいだ。あ、ショパンがいるか。どうでもいいが、ショパン。あとは関係ないがシェーンベルクの「ワルソーの生き残り」か。

1913年生まれということから解るように、明らかに現代音楽の作曲家だ。 だが、この「管弦楽のための協奏曲」は、それほど現代音楽的でない現代音楽だ。

「オケコン」というと大概はバルトークのそれを指す。 だがルトスワフスキのそれも同じくらい名曲だと思うが、有名ではない。「オケコン」というからには、管弦楽の各楽器を協奏曲的に使っているということなのだろう。実はこの辺りのオーケストレーションに関して言えば、ぼくにはさっぱり解らない。バルトークのものも、ルトスワフスキのものも、作曲のテクニックという意味ではここがこう優れているという技術的な部分は、あまり興味がないので、ただ聴いていて極論すれば、好きか嫌いかで好きなだけだ。

実際のところ、ルトスワフスキがバルトークの影響を受けていないのか、と言えば、とても受けていると言っていい内容の曲だ。バルトークがオケコンを書いていなければ、「あたかもバルトークのような」みたいな表現を使っていたかも知れない。

5楽章でもあり、全体の構成を考えても、交響曲第1番と言われれば、そういうものかと思ってしまう。

冒頭の弦が奏でるちょっと不気味なメロディが全体を支配していて、明るいところはほとんど無い。1954年という作曲時期を考えれば、第2次大戦後のポーランドの作家が、それほど明るい曲を書かなくても不思議ではない。この曲に、悲惨なポーランド侵攻から始まった戦争の影を見るのは決して難しくはない。

そういう意味で、ぼくは自分で持っているドラティの演奏は少し物足りない。 きれいすぎて。他の演奏も持っていたと思うのだが見つからない。どうやら3年前の引っ越しの折、ダンボール一箱分くらいのCDが行方不明で、その中にあったように思う。ペンデレツキも入っていたし、ジャニス・イアンも入っていたのになあ。捨てちゃったのかなあ。

今回これを書く気になったのは、実はmixiのradioという機能を使っていたら、いきなりバレンボイムの演奏でこの曲が流れたからだった。久しく聴いていなかったので、改めてきてみた。

やっぱ名曲だと思うのだが・・・

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