由比敬介のブログ
私の16才
私の16才

私の16才

「私の16才」と言えば、小泉今日子のデビュー曲だ。
小泉今日子は1982年のデビューで、この年にぼくは初めて社会に出た。勤めた会社がレコードの卸売業だったので、小泉今日子は、言ってみれば商品だった。小泉今日子は3月のデビューだが、5月にデビューした中森明菜は営業部に挨拶しに来たのを、当時経理だったぼくは、遠目に見ていた。
その中森明菜はデビュー当時から好きで、アルバムは毎回購入していた。ハードロックとクラシックに混じって、当時は自分のレコード棚では珍しいアイドルアルバムだった。
小泉今日子は、あまり歌がうまい印象がなくて(実際下手だったと思う)、ほとんど聴かなかった。経理から翌年希望を出して小売店へ配属になったとき、聴く音楽の幅が一気に広がった。それまでほとんど聴かなかったジャズを聴くようになったのもその頃からだ。
小泉今日子は、その年にブレイクする。
「私の16才」や2枚目の「素敵なラブリーボーイ」はオリコンのベストテンには入っていない。2枚目の「少女A」でブレイクした中森明菜よりは遅かった。

「素敵なラブリーボーイ」は林寛子のカバーだが、高校時代に聴いたことがあった。林寛子は歌手としてはそれほど成功したとは言えないと思う。この75年前後は、スター誕生で森昌子、桜田淳子、山口百恵がデビューした頃から、アイドルはこれでもかというほどデビューし、訳が分からない。

さて、ぼくはよく知らなかったのだが、小泉今日子のデビュー曲「私の16才」もカバーだったらしい。たまたまYouTubeでオリジナルを見つけた。
79年の森まどかという歌手の「ねえ、ねえ、ねえ」という曲のようだ。
森まどかのデビュー曲だという(13歳)「ひまわりの夏」というのもあったので聴いてみたが、なるほど、これでは売れなかっただろう。楽曲も面白くないし、演歌歌手がポップスを歌ったような感じだ。

ところが翌年に出されたという「ねえ、ねえ、ねえ」は小泉今日子の「私の16才」と、アレンジもほとんど変わらないが、歌唱力だけがかなり勝っている。
相変わらず演歌臭はあるのだが、丁寧で安定している。個人的にはこちらの方が全然いいのだが、当時素人くさかった小泉今日子が、僅か3年後にカバーし、その後の活躍を見れば、プロモーションだけの問題ではないだろう。

まあ、オリジナルに切り替えた「ひとり街角」「春風の誘惑」は、カバーの2曲よりも良かったし、「艶姿ナミダ娘」あたりからの小泉今日子のプチカリスマな雰囲気は、やはり才能だったのだろうと思う。単純にレコードを売っていたときの印象だけでもそう思う。


森まどかオフィシャル
まだ歌手をやっていらっしゃる。

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