由比敬介のブログ
議員年金
議員年金

議員年金

 国会議員の年金の「国会議員互助年金制度見直しに関する答申」というのが出た。あきれ果てて物も言えない。
 そもそも、年金は「国民年金」「厚生年金」「共済年金」などいくつかあり、昨年くらいまで国民が知っているのは、前記の順序でもらえる額が高くなっていく程度のことだ。社会保険制度の見直しに、社会保険庁と関連団体のあきれた年金の使い方のおかげで、多くの国民がそれに興味を持ち、「おかしいぞ」と思い始めた。しかも「議員年金」というお手盛り(最近この表現をよく見かける)の制度があるという。
 そもそも、国会議員自らの制度を国会で決めるというのは、いかがなものか。「まず隗より始めよ」という中国の郭隗の言葉があるが、社会保険制度など、国民の負担をまず重くしてから、批判が出たので渋々手を付けた格好だ。しかも、議員年金には国会議員だけでなく、地方議員にまでその制度はあり、それぞれ規定年数以上在籍すれば、その全てを手にすることができるという。
 
 国会議員の言い訳はこうだ。曰く「退職金制度の代わりだ」、曰く「無くしてしまったら金持ちしか議員ができなくなってしまう」。
 退職金の代わりなら、退職金にすれば良かったので、できるだけ長く、生きている間は恩恵を被りたいとするエゴ以外の何物でもない。無くしてしまったら金持ちしか国会議員をやらなくなる?それはそう言っているあんたらだけだ。金がないなら無いなりでもできる政治を考えることが、あんたらに与えられた責務だ。また、金持ちがやる政治と、金持ちになりたいから政治家になる人間が行う政治など、五十歩百歩だ。当然後者が五十歩だ。金持ちが悪人とは限らない。そもそも、金持ちなのだから、むしろ国民のための政治を無私で行う可能性だってある。しかし、金持ちになりたい政治家は、目的がそもそもそこになるのだから、いい政治など行うはずはない。
 そもそも、選挙カー1台に1千万円かかると国会で豪語する総理大臣や、1億円をもらっても忘れてしまう元総理大臣がいる政党に何を期待するのか!という見方もあるかも知れない。確かにその通りだ。根本的に何かが狂っている。
 今回の答申で、保険料の7割アップ、年金3割ダウンと加入年数が2年延びて12年になると言うことらしい。参議院議員なら2期、衆議院なら3期と、まことに解りやすい区切りだ。これまでの10年の方がよっぽど分かりづらかった(おっと、これは皮肉だ)。
 あたかも官庁の職員宿舎が都内の中心で3LDK2万円だったのを、世間の批判に耐えかねて2割アップしましたみたいな改変だ。3LDKだったら1000%アップだろう。何考えてんだか。
 そもそも、自分たちで掛け金を出し、その掛け金の範囲でやるなら、国民も文句は言わない(もちろん、そのぶん給料を上げるなんて馬鹿な真似は別だ)。7割が税金だ。あんた達が国家に対して何かをしたと自慢げに思っているほど、国民は評価していない。むしろ逆だ。国会議員なんて、いいことすれば当たり前に思われ、下手なことをすると年中やり玉に挙げられる。
 田中角栄はあるいは傑出した政治家だったかも知れないが、所詮はロッキード事件で捕まった元総理大臣に過ぎない。それでいいのだ。政治家を志したのなら、そういう職種に就いたのだと思えばいい。損な役回りでも(実際にそんなにそんだとは思えないが)、国民のために働く、それでいいじゃないか。
 
 国民はあなた達の議員年金を支払うために税金を払っている訳じゃない。まず、同じ負担で構わないから、国民にも毎月10万円負担させろ。10年払ったら、同じ額の年金をよこせ。それで初めて公平感が出るというものだ。これは数学だ。
 でなければ、さっさとそんな制度は止めてしまえ。
 政治には金がかかるという前に、一度でも金のかからない政治を真剣に考えたことがあるのだろうか?選挙のたびにポスターをそこら中に貼るのが選挙運動なら、何の意味もない。ポスターはその議員の能力や人柄など語りはしないからだ。
 いっそのこと政府を二つ作り、競わせてはどうだろう?いい方に税金を払うっていうのは。・・・ウソだけど。
 

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