由比敬介のブログ
URIAH HEEP
URIAH HEEP

URIAH HEEP

 URIAH HEEPは、イギリスのロックバンドだ。ミック・ボックス、デヴィッド・バイロンの在籍したSPICEというバンドにケン・ヘンズレーが加入した後、ファースト・アルバムを発表する。「VERY ‘EAVY, VERY ‘UMBLE」がデビューアルバムだ。1970年のことだ。
 ヒープはプログレッシブなカラーを持ったハードロックバンドだと思う。それは、ケン・ヘンズレーのオルガンが醸し出す音色にも原因があるし、彼の書く曲にも原因はある。
 初期の頃はディープ・パープル的な楽曲も多い。バイロンはロック歌手だが、きちんとしたボイス・トレーニングを受けてたらしく、いい歌を歌う。ただ個人的にはその後のジョン・ロートンの方が好みだが。
 
 ヒープのアルバムで最も有名なのはなんと言っても「対自核(Look at Youraself)」だろう。初期の代表曲、「7月の朝(July Morning)」が入っているからと言うこともある。だが、その前に出したアルバム「ソールズベリー(Salisbury)」のタイトル曲が私は非常に好きだ。16分に及びホーン・セクションなどが入った意欲的な作品で、こてこてのミック・ボックスのギターソロが聴ける。16分というと、昨今の4分前後の音楽が当たり前になっている人たちには、なんて長い曲だと思えるかも知れないが、当時はLPの片面に1曲などと言うことも珍しくなかったし、クラシックで言えば、決して長すぎる曲とも言えない。むしろ、メディアに乗せるためにソナタ形式よろしく、時間的にも構成的にも、お行儀いい最近の楽曲の方がなんだか寂しいような気がする。
 以前、カラオケで「私は風」を歌ったことがあるが、この曲は10分近い曲で、ギターソロだけでも数十秒ある。カラオケで歌うとその部分がかなり顰蹙ものだ。こういう世相の中では、16分の楽曲というのはあまり生まれてこないし、あってもメジャーにはなりづらい。
 ディープ・パープルがそうであったように、ユーライア・ヒープも大曲主義は徐々に影を薄れさせ、しかもどんどんポップになっていった。73年のライブが大きな転換点のような気がする。その前の「悪魔と魔法使い(Demons And Wizards)」「魔の饗宴(The Magician’s Birthday)」の時が、そのジャケットの美しさとともにピークだったと思う。特に前者に入っている「安息の日々(Easy Linin’)」はヒープの中でも1,2を争う名曲だ。先ほど書いた「ソールズベリー」と比較すると圧倒的に短い、約2分半の曲だ。
 ゲイリー・ゼインの感電事故やドラッグによる死などをはさみ、ヴォーカリストデヴィッド・バイロンが抜け、一時期ジョン・ウエットンが加入したりして1976年にジョン・ロートンが加入する。
 この人は非常にハードロック向きのヴォーカルで、バイロンの好きな人には恐らく人気はないのではないかと思う。ハイトーンで、非常に伸びやかな声をしているのだが、ライブなどを聴くと、実はバイロンよりも声域は狭いだろうと思わせる。彼の加入したヒープは「Firefly」「Innocent Victim」「Fallen Angel」という3枚のアルバムを出す。
「Firefly」の中の「哀れみの涙 (Sympathy)」 「Innocent Victim」の中の「幻想(Illusion)」「チョイス(Choices)」は、今でも大好きな曲だ。「Fallen Angel」は全体的に非常にポップで、「ラヴ・オア・ナッシング(Love Or Nothing)」が最も好きだが、微妙に平均値のアルバムという気がする。ファンじゃなければ聴こうと思わないが、意外といいアルバム、みたいな。
 この後も着実にアルバムを出し続けるが、1980年に最も多く楽曲を手がけてきたキーボードのケン・ヘンズレーが抜けてしまう。個人的にはヒープはケンのバンドだと思っていたが、あっけなく脱退してしまう。この時点で、オリジナルメンバーはギターのミック・ボックスだけになってしまうのだが、西暦が2000年を超えてもアルバムを出し続けてきた。2003年に「ソニック・オリガミ(Sonic Origami」を出して以来は音沙汰がないが、やはりヒープはヒープ、ミック・ボックスだけになっても(ドラマーは、割と初期から参加しているリー・カースレイクだが)、ヒープの音を響かせてくれている。すごいことだ。
 私は、全てのアルバムを持っているわけではないが、20枚くらいは所有している。
 私にとってユーライア・ヒープはいぶし銀のハードロックで、めちゃくちゃ輝いているわけではないが、時折じっくり聴きたくなる音楽だ。ピーター・ゴルビーという最近のヴォーカリストはあまり好きではないが、それでも全体としてはいい味を出している。
 俺の一番好きなのはユーライア・ヒープだと言うことは今までも、そしてこれからも絶対にないが、新しいアルバムが出れば買い続けるし、旧いアルバムも時折聴く、そういうバンドなのだ。
このサイトがヒープに関しては圧倒的にすごい。ここまでやってくれるとまさに脱帽だ。私の知らないアルバムも(特にライブ)何枚も掲載しているし、ジョン・ロートンのバンドについても載っている。いやいや・・・また無駄な金を・・・・いかんな。

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