由比敬介のブログ
ディーリアス
ディーリアス

ディーリアス

 今読んでいる小説に、時折ディーリアスが出てくる。翻訳ではデリウスとなっているが、明らかにディーリアスだ。この登場人物はイギリス人なので、ディーリアスは自国の作曲家ということになる。
 イギリスの音楽というと、パーセル以降目立った人がいない。ヘンデルはドイツ人だが、イギリスで活躍していたのイギリスの音楽といってもいいかもしれないが、それ以降、なぜか目立った作曲家は、ホルストやエルガーなどの比較的近代の作曲家しか知られていないような気がする。ディーリアスもその一人だ。
「惑星」のせいで、ホルストは非常によく知られているし、エルガーも「威風堂々」で知られていることを思うと、ディーリアスは非常に地味だ。その音楽も全体的に地味で、言ってみれば、「カラヤンのアダージョ」ではないが、非常に静かな音楽が多い。・・・多いというか、何を聴いてもそんな感じだ。
 一番有名(と私は思っているのだが)な曲はオペラの「村のロメオとジュリエット」だと思うが、これなど全体を通して、夢見るような音楽で、激したところが全くない。かなりドビュッシー当たりから影響を受けているようだ。ドビュッシーと同い年で、フランスで死ぬまで過ごしているの、さもありなんというところだが、しかし、印象派とかドビュッシーと同じかというとそうでもない。もっとロマンチックで、絵画的だがより写実的な雰囲気があると思う。おおらかという表現があたっているように思う。
 尤も、ディーリアスを全部聴いたわけでもないし、どちらかというと数少ない経験の中での印象だ。部分部分は、ドビュッシーぽいように聞こえても、その後牧歌的なフレーズが流れてくる辺りが、あたかもマーラーの第3交響曲の終楽章のようだったりもする。
 CDになっている曲のほとんどが、美しくてゆったりとした曲なのだが、例えばアルビノーニのアダージョとか、パッヘルベルのカノンのようにキャッチーなメロディーライン中心ではなく、一見キャッチーなメロディーをズオーっと引き延ばしたようなイメージがある。
 ただ絶対、クラシックを「アダージョ」なら聴けると思っている人、眠りの前の子守歌にいいと思っている人は是非聴くといいと思うのだが。とにかく美しい。
 先に書いた「村のロメオとジュリエット」は持っているが、他のオペラを聴いたことがないので聴いてみたい気がするのだが、何となく全部似ている予感が・・・・
 あ、ヴォーン・ウイリアムスがいた。イギリス人に怒られちゃうな・・・・でもメジャーって訳じゃないよな。


ブリテンが~!!!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です