由比敬介のブログ
地震
地震

地震

 年末年始、実家に帰った折、母親と一緒にタクシーに乗った。
 その時、いやに饒舌な運転手が、地震の話をし出した。一昨年バンダアチェで起きたような地震が来て、東京は50メートルの津波で全滅だと、繰り返し、話していた。
 ・・・だから川越は安全だ、ということなのか、「ぼくは東京なんですがね」と、心の中だけで言っていた。
 年が明けても、テレビで地震の被害や、その時の対応などという番組が非常に多い。
 確かに直下型の地震が東京を襲えば、尋常な被害ではないだろう。昔からそう言われてきたし、子供の頃から、大地震が襲うと、何度も言われ続けてきた。
 もちろん、全然起こらないじゃないか、だから安全、と思っているわけではなく、最近の日本列島を見れば、関東でなくても、至る所が地震の巣なので、怖いことには変わりはない。
 そこに持ってきて、マンションの強度偽装だ、といわれれば、尚更である。
 私が中学か高校くらいの頃に流行った小松左京の「日本沈没」が再び映画化される。かつて、テレビ化、映画化、漫画化された。上下巻のノベルズで、非常に読みにくかったのを覚えている。
 日本沈没に限らず、当時は、大地震の映画などが結構あったように思える。
 永井豪の「バイオレンスジャック」は、新たな関東大震災で、関東が壊滅し、さらに孤立化した後の無法地帯を描いた作品だ。これも恐らく、70年代から書き始められていたのではなかっただろうか?
 当時は、地震に加えて、公害による汚染や、冷戦構造から来る第三次世界大戦など、今となっては、未来予測としては大分違った世界を危惧していたのだ。
 だからといって、今がバラ色な分けではないし、温暖化によるオゾン層の破壊などは、目に見えて、公害以上に壊滅的な未来を予想することも可能だ。
 ソ連はなくなったしベトナムも負けたのに、アメリカは次々世界のどこかで戦っている。
 そして地震もずっと来ると言われ続けている。
 いずれは来るのかも知れないし、このままずっと来ないのかも知れない。今まで起こったことのない福岡で、昨年は大地震が起こった。今年は例年にない大雪に日本は見舞われている。
 ああ、地球は生きているのだな、そして人間の手で蝕まれてもいるのだな、とも思う。
 だが、健康を維持するために努力をする人と、そうでない人がいるように、地球のあちこちで、その努力をしている人と、何となく日常を過ごしている私みたいなのとがいる。
 ふと思うと、何かできないのかな?と考えることもないわけではない。だが何もしていないのが現状だ。
 せめて車に乗らないので、その分自分が出す排気ガスが少ないという、かなり他力本願的な貢献をしていることで、幾分心は慰められる。
 あまり揺れるなよ、地球。

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