由比敬介のブログ
野球とアダルトサイト
野球とアダルトサイト

野球とアダルトサイト

 今日、livedoorと楽天の2回目のプロ野球機構によるヒアリングが行われた。
 その中で、資産状況とは別に、livedoorも楽天も中にアダルトサイトを抱えているという話が出て、青少年に対する対応という問題が質問されたという。
 楽天はブロックしているといい、livedoorは難しいといったらしい。
 こんなことがプロ野球球団のオーナー会社を決めるための一つの基準になるらしい。
 ちゃんちゃらおかしい。
 尤も、アダルトサイトにもピンからキリまであるはずで、「ちゃんちゃらおかしい」は、全てのアダルトサイトを養護しているわけでは毛頭無い。私は、アダルトサイトというと青少年育成にとっての悪のように表現されるのが、いかにも嘘くさくて嫌いだ。
 インターネットでもそうだが、アダルトサイトお断り、というのは中身を精査できないからという理由に依るわけで、それはある程度やむを得ないと思う。
 しかしそれと青少年の育成に悪影響という問題を、アダルトカテゴリー全般に押し広げて、議論するのはいかがなものか。
 実は、今日のヒアリングの中でどういう位置づけかと言うことは私は知らないので、そのことはどうでもいい。ただそれを受けて、ニュースステーションで古舘伊知郎と、加藤某というコメンテーター(?)が会話していたのを受けてのこの文章である。
 アダルトサイトに批判的かどうかという点は個人の意見なので、これもまた今日はどうでもいい。
 問題は、アダルトサイトを(必ずしもサイトでなくてもいいが)、スポーツや、芸術などと対比させて、青少年の健全な育成という軸で、いいか悪いかと言うことを論じるという姿勢を問題にしている。
 10代の、少なくとも男にとっては、スポーツや勉強、趣味などと同じくらいに、アダルトカテゴリーの情報は重要なものだ。それは生物学的な意味かどうかは分からないが、極めて大きな興味の対象である。
 インターネットがこれだけ巨大な情報バンクとして昨日している中では、女の裸を見るためには尤も手軽なメディアだ。本屋でエッチな本を買ったり、といったことが実はせいぜいだったとしても、それを真剣にやるような年代である。またそれは、決して悪いことでもない。同様に、インターネットの年齢認証があるようなページを10代が見ることも、それはそれで楽しいことであるはずだ。
 そういう行動をする若者が、それでは不健全であるかというと、そんなことは絶対にないし、不健全というのはもっと別の概念だ。
 今時の社会で起きている、殺人事件やら、汚職やら、国民の賛同を全くと言っていいほど得られない社会保障制度の改革や、大量破壊兵器を世界一所有している国が、他国のそれも憶測で持っていると決めつけた兵器を理由に、戦争を仕掛けて「正義」を言い放つ大統領など、よっぽどそちらの方が不健全というべきであろう。
 道徳というのは社会がある以上必要なことだし、ある程度以上の常識は、細かく規定されなくても人が生きてきた歴史の中で培われてきたということも含めて、知り、守っていくべきであろう。
 だが、アダルトサイトをその中に持つ企業が、プロ野球球団を持つのが相応しくないという論理は(もし少なからずそんなことがマイナス要因となるのであれば)、むしろ、子供に、この世はお菓子の城でできていると教育するのに似て、非常に偏見に溢れた判断といわざるを得ない。
 東京都が進めている中学生のセックスを条例で規制しようと言うのと同じくらいピンぼけだ。

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