参院選が終わった。
本当にそんなに自民が負けるのか?と思っていたが、それ以上だった。
あれだけ負けても安倍さんは辞めないらしい。確かに衆議院選挙ではないし、法的には辞める必要もないのかも知れないが、物事は理屈で考えれば、政権への「No」が大分入っていることは解るはずだ。
元々安倍さんは好きでも嫌いでもないが、この数ヶ月、総理としての発言を聞いていると、嫌になってきた。ほとんど発言が曖昧で、「美しい国」などという、非常に感覚的な意味の解らない表現を使うし、そのくせ、強権発動的な側面もある。端的に見て、自分が考えることだけが正しいと考えているように写った。
小泉純一郎が必ずしも良かったとは思わないが、国民の支持を多く集めるすべを知っていた。これは例えば、石原都知事を私は嫌いだが、彼が都知事2期の間にやってきたことは、マイナスよりもプラスの方が多かったと評価はしている。それと似ている。
個人的に自認せよとは思っているわけではない。少なくとも自認する前に、これまでどういう風に考えて政権運営をし、どうこれからしていくのかを、せめてこちらが解る言葉で教えて欲しい。
今回の敗因が、紛失した年金問題と、失言、政治と金だけに、少なくとも自民党の多くの政治家があると思っているようだが、年金問題などは、安倍政権のせいではないし、失言も基本的には個々人の考え方や資質の問題だ。政治と金の話だって、もちろん自民党が最も問題をはらんでいるとは思うが、民主党がそうではないかと言えば、そうではない。民主党の党執行部はみんな元自民党だ。
テレビでは「空気が読めない」という表現を、何人かが使っていたが、例えば赤城農水大臣だって、空気が読めないわけではあるまい。どちらかといえば、都合が悪いから説明責任を果たさないだけだ。一つには、本当に知らないのだろう。自民党議員で閣僚のくせして、自分の言動が、今度の選挙にどんな影響を与えるのかさえ、解らないのは、でもやはり、空気が読めないのかも知れないが。
どちらかというと、自分のことに精一杯で、人のことなど顧みられないのではないかと思える。政治家をやっていて欲しくない。
今回、東京都は改選が5議席になって、結果は、民主2、公明1、無所属1、自民1という結果だったが、保坂さんぞう氏が負けたのは当然の結果だと思っている。それでもあそこまで票を集めるのだから、組織力はすごいと思える。
自民党に逆風が吹いている間、保坂氏はなりふり構わず組織票にしがみつき、丸川氏にそれを回さないという意向をテレビのインタビューで答えていた。自分の票をまとめることに躍起になり、他が見えていなかった。しかし、組織票という固まりは、個人の集まりである。
選挙で同じ党から出馬している若手候補のことなど考えていられないと言っている男が、政界で一体誰のために何をしてくれると期待できるのだろう?私が自民支持で、保坂氏に投票しようとしていたとしても、この時点で鞍替えしたろう。前記の赤城農水大臣と同じ利己主義者だ。
尤も、3年間選挙日程無かった丸川珠代に世間は甘すぎる。他のことならいざ知らず、立候補者が過去3年投票に行っていない。しかもテレビキャスターだ。その3年間にテレビで一度も選挙に行こうという呼びかけをテレビを通じてしなかったのだろうか?
片山さつきが「誰にでも間違いはある、再チャレンジさせてください」と街頭で応援をしていたが、再チャレンジは次回の参院選でするべきだ。
もちろん政治家は、国会を含め、当選後に何ができるかが最も重要だが、少なくとも立候補者たるべき者、これまで選挙にしばらく行っていませんでしたというのは、「投票に来てくれ」という資格がない。しかもテレ朝のアナウンサーではなおさら始末が悪い。・・・それでも当選するのだ。たいしたものだ。
そもそも、政治家でなければこんな批判には当たらないことも多い。しかし、いやしくも政治家を志すのであれば、それが求められる。
街頭のインタビューで安倍さんは下から足を引っ張られてかわいそうということを言っている人があった。しかし政治家であり、一国の総理たる者、その程度の人間を閣僚に選出したことの無能をこそとがめられるべきで、決してかわいそうなことはない。
安倍以外に人材がいないという話もたまに出る。
自民内であれば、誰にでもやらせてみればいい。それほど違いはないはずだ。
あるいは、解散総選挙をし、一度民主に政権を取らせた方がいい。
政治家は、政権を取ると「信任」と勘違いする。
現状では、少なくとも国民の半分以上は、その政党を選択した、それだけに過ぎない。そのことを肝に銘じるべきだ。その上で、民主と自民でいいから、互いに切磋琢磨していい政治をやってくれればいいのだ。少なくとも、一党だけが継続的に政権を取るよりはいい。現代は。
自民党が敗北し、与党から「これからは議論を尽くす」とか、野党の意見も聞いてという言葉が聞かれる。安倍総理自身も言っていた。ということは、これまでは野党の意見など聞く必要はないと思っていたわけだ。
少なくとも国民の何割かは野党支持者だ。その意見を一顧だにしないという態度はそもそも間違っているので、与党が衆参両院で過半数を持っていても、自分勝手に何でも決めて言い訳ではないのは明らかだ。
そんなことも含めての今回の結果であることを内閣と総理大臣は解っているようには到底思えない。
安倍さん、まず「美しい国」って言うのを禁句にしてください。・・・ここまで来るとその言葉に腹が立ってくる。