由比敬介のブログ
NW-HD5
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 ソニーがようやくポータブル・オーディオでまともな商品を出す。これまでのATRACというオリジナル圧縮規格にこだわらない、MP3やWMAも再生できるタイプだ。20GBタイプとしては価格も高い方ではないし、何より再生時間が他の機種に比べて圧倒的に長いのがいい。
 最近は家で仕事をしているので、外出する機会が昔に比べて圧倒的に少ない。そのため、パソコンに音楽をしこたま溜めて、流しっぱなしで仕事をするという日常になっているが、会社に行っていたら、恐らく行き帰りのためにポータブル・オーディオは必携のアイテムになっていたに違いない。
 これだけポータブル・オーディオが流行ってきているのに、一部のメーカーはCDからパソコンやこのポータブルオーディオに、楽曲をコピーできないタイプが結構ある。著作権保護もいいが、顧客あっての音楽産業であることを忘れてはいけない。このことは何度かここでも触れているが、まさにソニーのATRACはその内側に著作権保護を目的としたコピー保護機能を持っている。ソニーがATRACでMP3に負けた原因は、まさにその扱いづらさにあることを、ソニーは知らねばならない。いや、きっと知っていて認めないだろう。
 著作権を守ることは重要だし、努力はすべきだが、一律に何かを制限することで目的を達しようとしても、結果的に対顧客という世界ではうまくいきはしない。圧倒的多数のいい顧客だって、実はCDの貸し借りなどは日常的に行われているし、実はそのことが逆に音楽を広める一助となっているという側面もあるのだ。
「これいいから聞いてみな」
 という一言と、1枚のCD、あるいはそこから選曲して作ったテープやMDが、新たな顧客を獲得していくことはコレまでもたくさんあったし、かつてはエアチェックと言い、ラジオから流れる音楽をテープに録音することでコレクションを増やしていた時代もある。そしてその中から、レコードやCDを購入していくのだ。
 個人的楽しみ以外では等という実質的な意味をあまり持たない表現で顧客を縛り、どんどん開発される新たなシステムにそぐわない著作権保護など、実は砂上の楼閣だ。
 ライブドアの堀江氏が、ネット上でダウンロード販売されている楽曲は高いと言っていた。それは顧客の多くが感じていることだ。表現としては、こんな素晴らしい音楽ならいくら払っても構わないと言うこともあるだろうが、商売的には通用しない。
 現在販売されている音楽は200円くらいが一番多い。確かに、シングルCD1枚1000円と考えれば、圧倒的に安い。もちろん、シングルCDには複数の曲が収められているから、それほどではないと思えるかも知れないが、シングルが曲の多くはその1曲が目的の場合が多いから、そういう人にとっては、確かに五分の一の価格なのだ。だが、当然、メディアが存在しないので、誤って消してしまえばそれまでだ。また、ダウンロード販売されているフォーマットは、なぜかATRACが圧倒的に多い。ダウンロードしたメディアから外に出せないと言うことだ。
 旧い楽曲は1曲150円前後。でも10曲で1500円、昔の歌手のCDなど15~16曲入って2000円しない場合も結構あるから、そうなると、CDよりも高いケースもある。
 昔からよく言われていることだが、CDはジャケットとライナーにお金がかかるらしい。確かにパッケージにお金がかかるのはよく分かる。で有ればそれがないダウンロード販売は、もっと安くするべきだ。ホリエモンに賛成だ。
 どこかの評論家が、それでは楽曲を提供する側のモチベーションが下がるというようなことを言っていたが、そうだろうか?たくさん売ればいいだけだし、200円が100円になれば、買う人は圧倒的に増えると思う。但し、前出のATRACのように、パソコンにダウンロードした配意が、ポータブルにコピーできないなどという代物は、それだけで顧客を失う。
 著作権問題は、もっと発展的解消が望ましい。
 音楽が売れなくなった原因を、コピー文化に求めるよりは、そのコピー文化の中で、音楽産業をどうやったら大きくできるのかを考えるべきだ。その中には、例えば携帯代金をたくさん払うから音楽まで手が回らないという若い人が増えていたり、様々な原因があるのだ。聴く側が多様化しているという問題もある。
 いつまでもCD1枚の価格を3000円前後に固定して売っている日本のメーカーが、到底努力しているようには思えない。
 

1件のコメント

  1. 機動戦士ガンダムSEED

    やはり、結論はそこでしたか・・・<苦笑
    でもSONY製品、残念ながら物欲をそそられるモノってあまりないですね。今回のNW-HD5も欲しくない。またiPodになりそう、今度はカラー液晶のかな、Miniかな?

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