コーヒーというのは、調べてみると、それほど歴史が古いわけではなく、せいぜい千数百年前から飲まれ出したらしい。日本に入ってきたのは17世紀頃のようだが、本格的に飲まれ出したのは明治時代と言うことだから、日本のコーヒーの歴史は100年余りと言うことになる。
よく西部劇で、荒野でコーヒーをわかして金属のカップで飲むシーンがある。あれがとても旨そうだ。ドリップやサイフォンではなく、パーコレーター、どちらかというとただのポットで入れているように思える。時代からいうと、ドリップもサイフォンもその頃発明されているようなので、西部劇の舞台で出てくるとは到底思えない。
インスタントコーヒーは19世紀の終わりの発明だという。
私が子供の頃は、家でコーヒーと言えばインスタントで、今のようにドリップが普通ではなかった。学生時代でもよく「泥水」と評したコーヒーを飲ませる喫茶店も多かった。今では、余りまずいコーヒー店というのは少ない。もちろん好みはあるが。
ドトールだって十分美味しい。個人的にはスタバよりドトールだ。スターバックスのいい点は店内禁煙と言うことだろう。
愛煙家にとっては、コーヒーと煙草をワンセットに考えている向きも多いかも知れないが、単純にコーヒーの味と言うことを考えれば、煙草が損なっていることは間違いないと思う。
しかし、美味しいコーヒーを飲ませる店というのはたくさんあって、最近好きなのは新宿の但馬屋珈琲店。私は西口の方しか行ったことがないが、とても美味しい。まあ、ドトールの3倍の値段を払うのだから、美味しくなくてはやっていけないと思うが、時々飲みたくなる。
ドリップの仕方を見ているととても面白い。ポットはそのままで、ドリッパーの方をまあるく動かすのだ。あれが秘訣なのかな。自分では試したことがないけど。
家ではもっぱらブルックスの19円、モカコーヒーだ。以前は豆を買っていたが、最近では1杯1杯淹れるのがめんどくさいのでそうなってしまった。一時期、カフェ・ノ・バールのソンブラという豆に凝って、ずっとそれを買っていたこともあったが、当時は勤めが池袋で、事務所がまさに西武百貨店の隣だったこともあったからで、勤めが変わってからは、余り買わなくなった。
こんな文章を書くと、また飲みたくなる。正直なところ、ブルックスよりは遙かに美味しいのは目に見えているから。
でもブルックスのコーヒーはありがたい。非常に手軽で、そこそこな味で、しかも安い。尤も、オリジナルブレンドは同じ19円でもあまり美味しくないと思う。中ではトラジャが一番美味しいかな。その分高いけど。でも、ソンブラは確か200グラムで1000円近かったので美味しくて当たり前だな。
昔は砂糖とミルクを入れないと飲めなかったが、今は砂糖を入れると飲めなくなった。だがミルクだけは入れる。クリームというよりミルクだ。クリープのような粉末系のミルクは以ての外だし、スジャータでも濃い。ブラックよりもそちらの方が好きだ。真のコーヒー飲みからは邪道に思われるのだろうか?そんなことはないな。フランスで飲んだコーヒーは基本、エスプレッソで、私の口には合わない。
イタリアやフランスの人は、エスプレッソがコーヒーだと思っているから砂糖をたくさん入れて飲む。お国柄の違いというよりは、私的には個人的な味覚の違いに過ぎないが。薄目で量の多いのをよくアメリカンというが、そのエスプレッソではないから、普通のコーヒーをアメリカンと言うようになったのではないのかな?
昔の喫茶店は、明らかにコーヒーを入れてお湯で割ったのをアメリカンとして出していたように思う。
まあ、コーヒーだろうがお茶だろうが、美味しく飲めるのであれば飲み方は自由なので、どんな飲み方も個人差だと思っている。私はコーヒーには全くうるさくないので、こんな文章をブルックスのコーヒーを味わいながら書いていれば、それは酒飲みがグラスを傾けているのと同じ気分なのだ。
まあ、胃に悪いので飲みすぎには注意しろと医者にまで言われたことがあるので、注意はしているが。でもやはり嗜好品というのは常習性や、麻薬的な魅力があるのだな、これが。