しばらく前に流行語大賞の発表があった。
大賞は北島康介の「チョー気持ちいい」だったが、あれって流行語なのか?というか、流行語の定義って何なのだろう?
ホームページでは
「1年の間に発生したさまざまな「ことば」のなかで、軽妙に世相を衝いた表現とニュアンスをもって、広く大衆の目・口・耳をにぎわせた新語・流行語を選ぶとともに、その「ことば」に深くかかわった人物・団体を毎年顕彰するもの」が流行語大賞だと言うことだから、大賞の北島の言葉は、日本人がうれしかったと言うことなのだろう。個人的には流行語という響きからいうと、2位の「気合いだー!」の方がよりそんな感じはあるが、アニマル浜口以外が使っているのはあまり見たことがないのでそうでもないのか。
そういう意味では「チョー気持ちいい」は、北島よりも、渋谷辺りを歩いている女子高生に上げた方がいい感じもする。
3位以下を見ると 「サプライズ」「自己責任」「新規参入」「セカチュー」「中二階」「って言うじゃない… ○○斬り! …残念!!」「負け犬」「冬ソナ」となっている。こう並べてみると、あまり世相が解らない。
「自己責任」なんて、私は今年の1位だと思うし、日本人というのがどういう国民性を持っているかを端的に浮き彫りにしたものだったと思う。
流行語大賞の流行語には、単純に言葉としての意味や、その言葉が世間に流布したと言うことではなく、むしろ、「セカチュー」「冬ソナ」のように、言葉はともかく、その本体が流行ったという点で選出されることも多いようだ。
歴代の1位を見ると、第6回の「セクシャル・ハラスメント」7回の「ファジィ」12回「無党派」14回「失楽園」17回「おっはー」などは、なるほどと頷けるが、意外に、何でこれが?と私などは感じてしまう。流行語大賞というより、インパクトのあった言葉大賞という感じで、ニュアンスがどうもしっくり来ない。
「タマちゃん」が流行語と言われても、確かにタマちゃんは話題になったが、それが流行語という語感や意味から導き出される内容とはどうも一致しない。少なくとも私の中では。
ある意味、「チョー気持ちいい」はそういう意味では流行語として相応しいのかも知れないが、それを受賞したのが北島康介という辺りが、違和感を感じるのだろう。「チョー」なんとかは元々辞書にでも載っている超人とか、超高速とかの超をあらゆる言葉の接頭辞として使う使い方で、かなり前から使われていると思うが、例えば「チョーうざ」とか言うような使われ方をし出したのはここ数年ではないだろうか。10年くらい経つのかな実際は。よく分からないが。その辺りも、今頃「チョー」かよ。という気がしないでもない。
まあ、オリンピック選手が「めっちゃくやしい」と同じように、非常に普段の言葉で、喜びや悔しさを表現することが、大人には新鮮なのだろうと思う。これは実は、言葉遣いが総じて悪くなっている事への裏返しでもあるのだ。
欧米のように、特殊な敬語以外はいわゆる日本的な敬語がない国に、日本も変化していく過渡期なのかも知れない。テレビを見ていても、「ですます」で喋らない若い人が多いのを見ても解る。まあ、どちらでもいいことだが、そのことを許容するのであれば、自らに年下が敬意を払わない時代が来ることを認識しなくてはならない。運動部はどうなるんだろう?
私は、たかだか数十年先に生まれたからと言って、それだけを理由に年上を敬う必要など全くないと思っている。敬うべきは年齢ではなく、対人関係としての他人すべてであって、年上だって年下を敬う必要は十分にある。
人を尊重することが、年齢や、経験だけに委ねられていいはずはない。もちろん、ここで私が言っているのはかなり極論で、自分がそうしていると言うことではない。
いずれにしても相手に敬意を払うという姿勢は、世界を平和に導く一つの手段でもあるわけで、だからといって、北朝鮮に敬意を払えるかというと、そうも行かないに違いない。
ところで、流行語大賞には月間ランキングというのが載っているが、今月の7位に「ニート」というのが載っていた。ニートと言えば松原みき「ニートな午後3時」だろうと思ってしまう私も、やはりどうして、おじさんなのだ。多分。この歌好きなんだが。