私は「横山光輝の世界」というサイトを運営しているが、横山氏と言えば、「三国志」を描いた漫画家の中で最も有名な漫画家である。さすがに、三国志だけあって、多くの漫画家さんがトライしているようだが、あれだけのボリュームと、おもしろみを持って大河作品に仕上げたのは、横山氏だけである。
それでも尚、私は三国志、及び水滸伝は、吉川英治版と、「三国志演義」そして「水滸伝」の翻訳がそれ以上に好きである。
しかしながら、実は私と三国志の出会いは、横山光輝でも、吉川英治でもない。パソコンのゲームであった。しかも、MSXという、今ではほとんどの人が知らない様なOSのためのゲームだった。
当時は「三国志Ⅱ」で、光栄という、当時はほとんど知らないメーカーの作品だった。20年以上前の話である(たぶん)。
何でこのゲームを買ったのかは覚えていないが、多分雑誌で見たからだろう。当時は劉備玄徳も、諸葛孔明も私は知らなかった。そもそも中国文学には全く暗かった。
しかしこのゲームは面白かった。最新版がⅩだから、人気もあるわけで、よく続くものだ。私自身は実際にやったのはⅢまでだ。いや、実際は他のもやったことがあるが、難しくて1回で止めてしまったりで、きちんとやったのはⅢまでだ。つまりそれも20年程度前のお話しだ。
実は私はこの前に、「信長の野望(これはⅠだ)」をMSXでやっていたので、取っつきやすかったのだと思う。MSXの「信長の野望」は、今考えるとすごいと思う。16色で、日本は点線で区切られていた。北は信濃、南はせいぜい紀伊半島当たりまでで、16国しかなかった。それでもこのシミュレーションはとても面白かったと記憶している。
三国志はⅡだったが、MSXもⅡになっていたので、16色は256色になっていた。まだゲームと言えば、PC8800というNECのシリーズが主流で、ディスクは5インチの大きくてぺらぺらのものだった。MSXは最初から3.5インチフロッピーだったが、確か720KBくらいだった。今では下手すると、画像1枚分の容量だ。
それ数枚でゲームが遊べたのだ。
三国志は、ユーザーが武将の一人になって、中国を統一するという、恐らく今でも基本は同じだと思うが、そういうストーリーだった。「劉備」「曹操」「袁紹」「公孫贊」「孫権」「董卓」辺りを選べたような気がするが、非常に記憶がおぼろげである。
劉備を選ぶと、割合簡単に関羽と張飛はくっついてきたが、諸葛亮は少し努力が必要だったような気もする。
いずれにしても、このゲームのおかげで、吉川英治を読み、演義の翻訳を読み、流れで、水滸伝のゲームをやり、これまた吉川英治を読み、翻訳を読んだ。これは岩波文庫のものだった。
ある程度本当の歴史なのに、わくわくしながら読めるのは、日本の戦国史と同じだ。本を読んだ後にもう一度ゲームをすると、妙なこだわりが出てくる。
劉備で始めたら、「関羽」「張飛」「超雲」「馬超」「黄忠」という蜀の五虎将と、諸葛亮、鳳統、二人の軍師はどうしても手元に置きたくなる。なかなか楽しかった記憶がある。
今は時間もないので、やる気はしないが、時間ができたらまた楽しんでみたいゲームである。
最近ではプレステで、非常に活劇的な楽しみ方ができるものもあるようだが、なかなか手は出せない。
さて、三国志本編に関してはまたいずれ。三国志と水滸伝、どちらが好きかと言われたらやはり水滸伝だな。