由比敬介のブログ
ダルビッシュの喫煙
ダルビッシュの喫煙

ダルビッシュの喫煙

 日ハムのダルビッシュ有が喫煙しているところを写真週刊誌に撮影されて、チーム練習から外され、さらに高校も停学になった。
 まあ、どっちでもいいと言ったらいい話だが、そもそもこの喫煙という問題、以前にも書いたが、私的には釈然としない。一度全国の教師、野球関係者、いや大人全てに、「あなたが最初に煙草を吸ったのはいつですか?」と尋ねてみたい。
 喫煙と飲酒は二十歳から、というのを定めた法律をちょっと調べると、少年法にある。
次に掲げる成人の事件については、公訴は、家庭裁判所にこれを提起しなければならない。
一 未成年者喫煙禁止法(明治三十三年法律第三十三号)の罪
二 未成年者飲酒禁止法(大正十一年法律第二十号)の罪
 概して法律は古いものが多いし、ことさら、変える必要もない、という類の法律という認識だろう。細かい内容は知らないが、屠蘇は罪にならないのかとか、親が一緒にいればいいのかとか、気になる。
 私も酒に関しては18から飲んでいるが、健全な方だろう。居間ではたまにしか飲まないし。だが、当時法律違反であることには違いない。現在では、年齢認証のある居酒屋もあるらしい。
 酒に関して言えば、どうも単純に年齢で切るのはどうかと思う。造り酒屋の息子が二十歳まで酒を飲まないとも思えないし、レストランでワインぐらい飲んでもいいように思える。酒の害というのが酔っぱらって、例えば暴力沙汰を起こすとか、気が大きくなって良からぬ事をするとかであれば、年齢の問題ではない。恐らく身体に対する影響だとしても、大正11年と今では、若者の身体も違うだろう。
 煙草はと言えば、そもそも身体の害なんて関係ない。悪いのは子供ばかりでなく大人も一緒だ。JTの広告にも、はっきりそう書いてある。こんな世の中で、煙草を手放せないのは、こんな世の中になる前に煙草の味を覚えてしまった人か、自分にとっての損得が冷静に必ずしも判断できない思春期の青少年である。
 これを吸うと癌になりますと箱に書いてある煙草は平気で、他の環境問題や、食生活に厳しい人もたくさんいるに違いない。
 煙草はかように依存性の高い薬物であることは言を待たない。
 
 ほとんどの人は、覚醒剤や麻薬には手を染めない。最初から悪いと解っているからだ。依存性も高く、幻覚を起こしたり、様々に生活に影響を及ぼす。とっても気持ちいからと言われても、やる人は少ない。法律で禁じられていなければでも、それなりにやる人は増えるだろう。
 つまりそれが煙草だ。
 煙草の効用と言うこともよく言われる。確かに煙草を吸う人にとっては、リラックスのための最大のツールでもあり得ると言うことだ。
 
 だが、リラックスのために必要だからと言って、何事も許されているわけではない。社会が、禁煙という方向に進んでいる以上、喫煙者の肩身が狭くなるのもやむを得ないことと言えよう。
 何年後かは解らないが、「今時煙草吸ってるの?」みたいな会話が街でされることもあるかも知れない。
 ダルビッシュが煙草を吸った。未成年のくせに。この論調は非常に嫌いだ。私に言わせれば、学校の先生、高野連の方々、野球関係者、あなたがのうちで、煙草を吸ったことのない者が、最初にダルビッシュに石を投げなさい、といった感じだ。
 百歩譲っても、世間のほとんどの人が、未成年のうちに煙草を吸ったことはなく、ごく限られた人間だけがそうであるような、マスコミの報道や発言も、正直言って、あきれる。
 少なくともダルビッシュに対し、「おまえは野球選手だろう、煙草を吸わない方が、きっと長い野球生活、絶対いいぞ」ならともかく、「未成年なのだから・・・・」二十歳を過ぎたら大いに吸えと言わんばかりのこの論調が、的はずれな文化であることを、世の中が認めてくれたらな、と思う。

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