由比敬介のブログ
犬のお話し
犬のお話し

犬のお話し

昨日テレビで、インターネットを利用したペットの詐欺の話を見た。
犬好きでたくさん飼っている人が、里親になりたいという女性に8万円で犬を売った。しばらくしてもう一匹売って欲しいということで犬を送ったが、お金は振り込まれなかったという。実は前の犬も16万円で転売されていたという。
かつて私の実家では犬を飼っていて、20年近くも生きた。チンと何かの間の雑種だが、とてもかわいかった。わがままだったが。客観的に見てもかわいかったらしい。名前の話を書くと長くなるのでここでは書かないが、犬や猫、なべてペットというのは、概ね自分が飼っているのが一番かわいいと相場が決まっているらしい。かわいがっていればいるほどこれは事実で、自分の子供に対する感情とは比較にならないほどこの傾向は強い。
であればこそ、かわいい犬や猫が欲しくて商売にもなる。
かわいがりながら育てるブリーダーもいれば、本当に商売に徹するブリーダーもいる。これは当然のことだ。

冒頭の詐欺のお話しだが、2匹目の犬に関しては詐欺というより、窃盗に近い感じもするが、転売した1匹目は詐欺なのだろうか?と思う。確かに、新しい家族が増えるとか何とか、いかにも自分で飼うような台詞で買ったらしいが、どういうものだろう。
こういうたとえは良くないかも知れないが、自分で読みたい本やCD、車を買って、読み終わったら売る。聞き飽きたら売る。ある程度走ったら売る。
ペットを物扱いするなと言われそうだが、そもそも金出して売買が成立している時点で「物扱い」では無かろうか?

もちろん、私は転売した人はよろしくないと思う。有償であっても、そこには是非かわいがって欲しいという売り主の気持ちもあるし、当然そうしてくれると思ったからこそ売ったのだろう。転売すると判っていたら、売らなかったに違いない。
だが、私にはもう一つその辺りが釈然としない。
中には実験動物として研究者に売られるケースもあると放送では言っていた。
確かにかわいそうだが。
でも私は、ここに捕鯨の問題と共通する何かを見てしまう。
どんなにペットをかわいがっても、見えないところで、研究動物として死んでいく犬や猫がいる。商取引の道具として犬や猫が存在する以上、動物愛護とかに反しない限り、転売されたとしても、結果的にいい飼い主にその動物が渡っているのであれば、それはある意味喜ばしいことではないのか?
冒頭の件は、言ってみれば、卸会社を通じて商材を販売している小売店みたいなもので、形式的にはそれほどひどいことではないような気もする。但し、人間関係や道徳的な問題はまた別だ。
その、転売をした女性の電話口での反応を聴く限り、架空請求や、無理矢理商品を買わせるような業者の口調と、同工異曲なものを感じないではいられなかったからだ。
ペットとしての犬や猫。最近では野良犬というのを滅多に見かけないし、猫だってどこまで野良なのか判断が付きづらい。いずれにしても、人間とこんなに近しい関係を築き上げた彼らが、やはり幸せに生きられる世の中が望ましいのだな。ほんと。

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