先日テレビで、モーツァルトの音楽が病気を治すというのをやっていた。高周波というのが非常に多いのだという。どこかの大学の先生が研究しており、そういうゼミのようなものもあるようだった。
クラシックの中で、なぜかモーツァルトというのはよく特別視される。わずか35歳でなくなりながら、後世にこれだけの音楽を残し、伝えられ、さらに評価されているのだから、確かに天才ではある。しかも交響曲からピアノ曲、オペラなど、クラシックの音楽のほとんど全てのジャンルを網羅している。ケッヘルが付けた番号は626まである。5歳から作曲していることを考えれば、年平均20曲以上を書いているわけだ。
ポップスを年間20曲作るわけではなく、その中には20曲ほどのオペラも含んでいる。1曲でCD2枚組3枚組の量があるのだ。現代のような録音技術があるわけでもないから、紙の譜面に書いていく。大変だ。・・・まあでも、バッハなんていうとんでもない多作家もいるわけだから、それに比べれば、それほどでもないのかも知れない。
ともかく、モーツァルトの音楽は病気を治すらしい。なかにし礼が、おまけのように言っていたのは、やはりおまけのように感じるが、確かにモーツァルトの曲というのは特徴的で、ハイドンなどはかなり似た感じもあるが、ちょっとお堅い。
モーツァルトなりクラシックが「癒し」とか言われても、非常に怪しく、もちろん癒される人もいようが、いらいらする人だってきっといないわけではない。アダージョとかラルゴとか、遅い音楽が「癒し」と結びつくのは、例えば「バラード」と言って静かで遅いポップスがやはり癒しを標榜するのと同じく、人の心に安寧を与える可能性が高いと言うことも言えるが、あくまでヒット率が高いと言うだけだ。
昔からよく私が言っているのは、取り敢えず好きな音楽は静かであろうとうるさかろうと、こころをリラックスさせてくれる。高揚感とリラックスは対になるようなことではなく、集中してその世界に入り込めているときは、リラックスしているものだと思う。
ただ「高周波」とか、直接人間の脳に影響を与えそうな言葉が出ていると、病気が治るかどうかは別として、直接的に肉体に働きかけているような気はする。薬を飲まずに、音を聞いているだけで病気が治るものなら、何となく健康的なので、どんどん研究して欲しいし、そういう効果があるのならうれしいことだ。
手の平をかざして病気が治る、呪文を唱えて病気が治る、いずれにしても、そういうことが可能なら、薬を飲んだり、メスを入れたりするよりは遥にいいわけで、モーツァルトもその部類だ。個人的には、モーツァルト以外でも発掘して欲しい気はするが。
マーラーの今際の言葉は「モーツァルト」だったという。そうか、「薬をくれ!」と言っていたのかもな。
私も、モーツァルトの「聴く薬」みたいなコンセプトのCDを見たことがあります(聴いてはいません)。
クラシックはそれこそ、全身傾けて聴かねば、という感じがして、ほとんど聴きませんがやっぱりそれを見て「ほんとに癒しになるのかな~」と疑って見ておりました。
人間の受動の感覚的なものが、理論的に立証出来るのかなぁとも思います・・それこそヘビメタ好きな人には、あの手の音楽が「癒し」にも成り得るわけですもんね。
映画やマンガ、小説などを読んでる時の脳波がどうとかも研究してみて欲しいです。
ところで、パット・メセニーの「トリオ99>00」を聴きました。初めて聴いたのですが、それこそ私には癒される感じで気に入りました。お奨めのアルバムなどありましたら教えて下さい。