度重なる不祥事と、それに伴う受信料不払いの拡大で、NHKの海老沢氏が会長を辞任した。引責辞任という形だが、それもやむを得まい。
NHKは受信料で経営される公共放送であり、いわば特殊法人だ。株主は受信料を払っている国民で、国民の多くが会長にNoを突きつけたわけだから、辞任して当然だ。
ところが、その舌の根も乾かぬうちに顧問に就任したという。NHKの経営広報部は「顧問は役員ではないため、実質的な権限はない。通常は役員が辞めると自動的に就任しており、今回も同様に委嘱した。アドバイザー的な身分であるため発表しなかった(読売新聞)」と言っているそうだ。
NHKという団体は、海老沢氏がなぜ辞任したと考えているのだろうか?なぜ受信料の不払いが、どんどん増えていると思っているのだろうか?
その辺りの感覚が、社会保険庁や、官庁、道路公団等と似ている。いわば他人事だ。
幾つものNHKの不祥事が海老沢氏個人の辞任でけりが付くわけでもなく、NHKの経営体質そのものが変革を求められている。NHKというのは実際問題、無くてはならない放送局だし、40%を切ったと言ったって、裏を返せばまだそれだけの人が観ている紅白歌合戦は、K-1やprideよりも放送の価値としては高いと言うことになる。というより、視聴率がどうあれ、スポンサーなど付きそうにないが、文化的に水準が高かったり、少数の視聴者のためであっても有意義な番組は作る続けるべきであり、何より報道は、信頼性の高いNHKならではの放送を続けていくべきだ。
妙に視聴者に阿り、視聴率の高いプロデューサーなどが幅をきかせることができるような風土こそを、NHKは変えていかなくてはならない。つまらんNHKでいい。但し役に立つNHKでいて欲しい。
NHKスペシャルなんて結構好きだ。芸能人なんて出てこなくたっていい。
そして、そう言ったきまじめな姿勢こそが、国民に対してNHKが思い出すべき組織としての姿勢ではないだろうか。
引責辞任した会長を、翌日顧問に頂くような組織に、いったい何が期待できるだろうか?組織の刷新をこそ目指すべきである。
海老沢前会長、顧問を辞退。 人は生き返らない。
NHKの海老沢前会長が引責辞任してすぐ顧問になった。1億2千万円ともいわれる慰労金では足りなかったのだろうか?この方おかげで受信料不払いが響き、収入が72億円も…